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文学少女シリーズ完結! “文学少女”と神に臨む作家 感想

“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫 の 2-6-8)
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比喩ではなく本を食べてしまうほど愛している自称”文学少女”と元美少女覆面作家の主人公が織り成すストーリーがとうとう完結しました。


今日の一枚


文学少女
文学少女シリーズ 天野遠子

作品の内容自体も好きですが、イラスト自体も大変気に入っています。
あんな感じの色彩の表現ができたらなあ、とあこがれています。



”文学少女”シリーズ全体の特徴


このシリーズの特徴は3つ上げられます。

名作とのクロスオーバー

『人間失格』、『嵐が丘』、『オペラ座の怪人』、『銀河鉄道の夜』のように誰もが名前ぐらいは聞いたことがあるであろう名作が作中で活用されていることです。これらの作品のストーリーと”文学少女”の物語がクロスオーバーしていくことで物語が展開していくという形式は非常に斬新でした。
また、取り上げられた名作の表面だけを見ているとミスリードをするようになっており、その作品の根底にある作者の表現したいことの理解を進めていくことによって初めて物語の真相にたどり着くことができるようになっています。
こういう風な書きかたはオマージュと読んでいいのかな?


ミスリードを誘う独白

この作品は基本的に主人公である心葉の視点でストーリーが進むのですが、章の間にその物語に関係のある「誰か」の独白が挿入されます。最初読み始めたときは何を指しているのかがわからないのですが、後半になるについれてその独白がなにを意味しているのかが徐々に気づいていけるようになっています。
この独白が曲者で、こちらの独白の意味への気づき自体がミスリードのための罠となっていることがあります。そのため、読み進めるのと同時に、にこの独白を思い返すと「こういう意味だったのか!」と2倍3倍に楽しむことができます。


「推理」ではなく「想像」

基本的に物語には何か一つ以上の謎が隠されており、それを解き明かすための断片が物語の中にちりばめられています。
このことから、ある種ミステリのような側面も持っていおり、探偵役となる”文学少女”の存在もあります。しかしながら、主人公たちがたどり着いた残酷な事実から、”文学少女”が優しい真実を「想像」することがミステリと大きく異なっている点です。
この性質上、リアルタイムに起きている事件よりも過去に起きた出来事についての謎を「想像」することが多いことも特徴といえるかもしれません。



ということで以下は神に臨む作家のネタバレがあります


感想


下が出るまで上は読まないようにしていたので、上下巻あわせての感想となります。
今回はジッドの『狭き門』が題材となっています。
遠子が存在しない、という一文で前巻は終了していたので、本を食べるという設定とあわせてもっとファンたジーな展開になるのではと危惧していました。この本を食べるという設定自体は二人のつながりを恋愛だけでなく、生きるうえで不可欠な食に結びつけることで物語における執筆することの意味を重厚にしているように思いました。

ヤンデレカップル 櫻井流人と竹田千愛

この作品の登場人物は何かしらの形で精神が病んでいますが、その中でももっとも危険なのは流人君と竹田さんだと思います。
流人君はその天性のマゾ体質と自分の大切な人以外への冷徹さが上巻で非常に目立っていました。精神的に打たれ弱いところもあって心葉のところで酔いつぶれたりするエピソードから愛嬌が伺えてよいバランスだったと思いました。
竹田さんのほうは一見普通に見えるのですが、下巻ではヤッちゃってくれました。こういう思い切りのよさがあるのが古きよきヤンデレですねw


心葉、遠子、ななせの三角関係の行方

結論からいくとななせはかませ犬でしたw
私個人としては、ななせとくっついて、今回の話で遠子先輩ときれいな別れ方をして終了するのかと思いましたが、いい意味で予想を裏切られました。
井上ミウとしての心葉に対しての接し方の違いが明暗を分けましたね。
しかし、シリーズの最初のほうで出てきた恋愛大殺界が実は伏線だったとは。ちゃんと終わりにもつながるのがすごい。


心葉の成長ストーリーとしての”文学少女”

最後の物語になっても新しい小説を書くことを拒んでいた心葉。遠子の母の代替として自分が求められていると悟り、無理やり書こうとしてもまったくかけない状態になっていました。しかし、これまで探偵役を演じてきた遠子に代わり、遠子と叶子の物語を「想像」することで彼女らの問題を解決しました。そしてこの経験を通じて、心葉は執筆する力を取り戻します。
最終的に、心葉と遠子は別々の道を歩む、「狭き門をくぐる」決意をするのですが、最初からジットの『狭き門』があのラストシーンを暗喩していたことがすばらしいです。これだけ綺麗な幕を閉じた作品はめったにないのではないでしょうか。




読んだことのない作品も多かったのでそういった薀蓄を読むだけでも面白い作品だったのでもっと続いてほしかった作品でした。終わってしまったのは残念ですが、外伝や短編集が出るとのことですのでそちらを楽しみにしています。


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Category : 雑記 | Thema : ライトノベル | Genre : 小説・文学


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